オフロードライディングに適した乾きにくいコンタクトレンズについて
Summary
- 含水率と乾き
- HEMAとシリコーンハイドロゲル
- 期間と種類
コンタクトレンズ乾く問題
近年では視力の悪い人が多く、日常生活ではメガネでも、スポーツをする際はコンタクトレンズを使用する人も多いと思います。
私もかなりの近視で、普段からコンタクトレンズを使用している一人です。
コンタクトレンズはメガネのような煩わしさがなく、スポーツに適している視力矯正器具ではありますが、風を受けるスポーツなどでは、レンズが乾いて見え方が悪くなったり、最悪の場合はポロッと剥がれてしまうこともあると思います。
これらはコンタクトレンズの宿命でもあるのですが、レンズの素材やスペックを注意して選ぶことでかなり改善できる部分も多いです。
本稿ではこれまで色々なコンタクトレンズを試した上でのおすすめを紹介できたらと思います。
※ソフトコンタクトレンズのみを対象にしています
含水率と乾き
コンタクトレンズの乾きを説明する際に重要なのが、含水率(がんすいりつ)です。
読んで字のごとく含まれる水分を表す数値です。
感覚的にこの数値が高い方が乾きにくい気がしますよね?
でも違います。
乾きにくさを主眼とするならば、含水率が低いものを選ぶのが鉄則です。
以下が高含水と低含水について他のサイトから抜粋したものです。
高含水の場合は、新品をつけた際のつけ心地はかなり良いです。 ですが、より多くの水分を含んでいるため、涙を奪う量も多く、結果的に乾きやすいことになります。風を受けた際などはより顕著に出ます。水分を多く含むため、理論上酸素透過率は低含水よりも多くなるということになりますが、これは後述する素材の問題がかなり左右する部分でもあります。耐久性・耐汚染性は高含水の方が弱いです。
低含水の場合は、そもそも水をあまり含まないので涙を奪い辛く、結果的に乾きにくいです。また、開封後のつけ心地こそ高含水に劣りますが、長時間使用の乾き方などを考えると低含水に圧倒的に軍配が上がると思います。耐久性・耐汚染性も低含水のが強いです。
含水率の結論としては、低含水を選べ ということになります。
素材 ~HEMAとシリコーンハイドロゲル~
次に、コンタクトレンズの素材についてです。コンタクトレンズの素材は、そのまま前述の含水率や酸素透過率のスペックに依存するので、こちらも確実にチェックすべき項目です。
HEMA
今までコンタクトレンズに使用されてきた素材としてHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)というものがあります。従来型のコンタクトレンズは全てこれです。
HEMAは水分を含ませると軟らかくなる素材で、快適な装着感が得られます。なので、含水率を上げることとレンズの厚さを薄くすることで、酸素透過性を高め、装着感もより快適にする工夫が施されてきました。
一方、含水率を高くするほど水分が蒸発しやすくなるため、目が乾燥しやすくなるというデメリットが出てきました。また、含水率を上げて酸素透過性を高めても水の酸素透過性を超えることはできないという限界もあり、新素材の登場後は従来型などといった呼ばれ方をしています。
こういった流れから、HEMAの素材では低含水の商品はほとんど存在しません。HEMA=高含水を思って良いと思います。
メーカーページで見ればどちらの素材なのか確認することができると思います。シリコーンハイドロゲルの場合はかならずアピールポイントとして全面に押し出していることが多いのでわかりやすいです。添付の仕様書のようなものを見ても分かります。
シリコーンハイドロゲル
HEMAが抱えてきた問題点を克服できる素材として登場したのが、シリコーンハイドロゲルです。
シリコーンハイドロゲルは低含水率でありながら、きわめて高い酸素透過性を実現する素材です。水よりも高い酸素透過性が確保できるため、従来の素材と比較して目の負担を軽減できるのが特徴です。具体的には角膜の角膜内皮細胞の減少などの問題を軽減できています。
また、素材自体の含水率が低いことで、レンズの装着中に目が乾燥しにくいのもメリットといえます。
まさに上位互換でもあるシリコーンハイドロゲルですが、新品の装着感に関していえばHEMAの方に軍配が上がります。前述した内容ですが、長時間使用したりスポーツなどをする場合は個人的には装着感もシリコーンハイドロゲルのが上回っていると思います。
HEMA素材は酸素透過率を高める為に薄く作ってあるので、レンズ自体の耐久性も低く破れやすいです。シリコーンハイドロゲルの場合はHEMAより厚めになるので耐久性も高いのもメリットになります。
結論
上記の結論として、オフロードライディングなどの風を受けるスポーツでは、確実に、
低含水 で シリコーンハイドロゲルのものを選びましょう。これに関しては本当に間違いないです。
期間と種類
次にコンタクトの使用期間についてです。
これは普段は眼鏡かどうかによって左右されますが、多くの人が1Dayか2Weekを選択すると思います。
個人的には2Weekのがレンズが厚くてしっかりしているのが多いので好きなのですが、洗浄の煩わしさや使用シチュエーションでも選択が変わってくると思います。
ただ一ついえるのは、1Dayは最近になってシリコーンハイドロゲルの素材のものが出てきたので、まだ選択肢が少ない感じではあります。乱視も入っている人などは特に少なくなります。
最後に個人的におすすめな低含水でシリコーンハイドロゲルのレンズを上げておきます。
最近はベースカーブと度さえわかってれば通販で買えるので本当に便利ですね。ですが眼科検診は定期的に行くことをおすすめします。
[2Week] 日本アルコン エアオプティクス プラス ハイドラグライド
昨年の7月に出たばかりの日本アルコンの傑作です。
それまではエアオプティクスアクアというシリーズがあり、長らくこれを愛用していました。ラインナップから消えていますが、今でもまだ在庫が豊富らしく、エアオプティクスアクアを買うこともできると思います。旧モデルよりも新モデルのが酸素透過率や耐汚染性がアップしているようです。
小学生から15年以上に渡って2Weekコンタクトレンズを使用している私ですが、アキビュー、メダリスト、プレミオ、バイオフィニティ等を渡り歩き、それぞれシリコーンハイドロゲルレンズを試したりした中で最終的に行き着いたレンズが日本アルコン エアオプティクスです。
なのでもう特に言うことはありません。"コレ"です。
酸素透過率もクラストップクラスの数値(裸眼比99.XXXX%みたいなやつ)、でありながらクラス最低の含水率33%を誇っています。
国内のレンズでこれより含水率が低いものはないと思います。かなり乾き辛く、そしてタフです。
遠視・近視・両用・乱視となんでもござれのラインナップです。
[1Day] 日本アルコン デイリーズ トータルワン
旅行やキャンプ等に便利なワンデーも結構な頻度で使うのですが、これが個人的には一番でした。もはや日本アルコンのまわし者みたいですが。。
1Dayコンタクトレンズはコストの問題なのかシリコーンハイドロゲルへの移行がかなり遅れている印象でした。そんな中センセーショナルに登場したのがこのデイリーズトータルワンです。それまでワンデイのレンズはかなり質が悪いイメージだったのですが、これ以降そのイメージを払拭されました。
このレンズは水分三層という仕組みになっており、ワンデーながら中心含水率33%、最表面は80%以上という良いとこどりのようなレンズになっています。さすがに2Weekのものに比べると乾きやすくはありますが、ワンデーの中では中々の乾きにくさだと思います。つけ心地は広告文句のようにまるでつけていないような感じです。
近視・遠近両用のラインナップです。
[1Day] ジョンソン・エンド・ジョンソン ワンデーアキュビュー オアシス
1Dayに関してかなり激戦区でアキビューのオアシスも中々良かったです。
含水率38%とかなり健闘しています。
近視・遠視のラインナップです。
1Day 乱視の人
1Dayでシリコーン素材、且つ乱視用というのは一番選択肢がないようです。
日本初だったのがクーパービジョンのマイデイトーリック。
今年の9月に発売になった、メニコンのプレミオトーリックがあるみたいです。
私は乱視持ちでないのでどちらもつけたことはありませんが、乱視で1Dayの場合はこの辺が候補になりそうです。
まとめ
以上、乾きにくく、オフロードライディングなどでおすすめのコンタクトレンズを紹介してきました。もちろんゴーグルの装着によっても目の乾きは大きく軽減できると思うのでその辺も合わせて快適なライディングを行いたいですね。
ここでご紹介したのはあくまで個人の主観によるものも大きいので、一意見としてご参考になれば幸いです。
参考URL: https://alcon-contact.jp/eyenavi/siliconehydrogel.html