カイダックでインナーチューブ守る君を製作した
Summary
- インナーチューブ守るグッズ紹介
- カイダックを使って全周ガードを作る
悲しきインナーチューブ
現在のエンデューロレーサーやモトクロッサーは、ほぼ全てのモデルで倒立式のフロントフォークが使われています。その性能は非常に素晴らしいものであると思います。が、余りにも弱点が丸出しすぎる。
モトクロスやクロスカントリーではそもそもそこまで転倒がないのと、めちゃくちゃな岩場を走ることが想定されていないので、まあ前側だけのフォークガードがついていれば事足りるのかもしれません。
ですがハードエンデューロでの使用では、少し倒したその一発でインナーチューブに傷を入れて、オイル漏れというのも頻繁にあります。
多少の傷なら、アロンアルファ/メタルロック等を盛ったあと、鬼研磨する民間療法でどうにかなるケースもあります。ですが、あまりにも傷がデカい、チューブ自体が傷ごと凹んでいる、などの場合は専門店での研磨でも対応できず、インナーチューブの再メッキ処理やそもそも新品のインナーチューブに替えるといった処置が必要になります。
私に至っては昨年の下半期の半年で2回もインナーチューブをやらかし、どちらも研磨不可の判断が出たので、再メッキされた中古チューブに交換という方法を取りました。
やはりフロントフォークのオイルダダ漏れでは満足に乗れるわけがないので(そもそもブレーキ的に危ない)、必要な出費にはなるわけですが、いきなりその必要が出ると想定外のダメージが財布に直撃するわけです。
そもそも傷つけるなという話ではあるのですが、白井を走っている以上それは不可能です。なので最大限の防御をしましょう。
やらかした時はいつもお世話になっているMondo Motoさんにお願いしています。HED人口が増えてきたのか、私のようにやらかす人も急増しているらしく、WP系の中古インナーチューブを在庫するようになったそうです。笑 これで安心ですね!
インナーチューブ守るグッズ
本題の前に、よくあるインナーチューブ守るグッズを紹介します。
ネオプレン製カバー
DirtSkinsのフォークシールスキンが一番有名でしょうか。私も使っております
他にもSHOCK SOXから出てたりします。
ネオプレン製のカバーはマジックテープで着脱もしやすいのですが、商品名からも分かる通り、本来は「シールに入り込む泥や砂」を防ぐものなんですよね。。もちろんその用途でも非常に良いものだと思いますし、これで覆われているインナーチューブ部分はそこそこの打撃では傷はつきません。
ですが、いかんせんカバー範囲が短い。過去二回ともこのスキンの下の部分にガッツリ傷を入れました。もちろん限界まで下げてインナーチューブにかかる部分を長くしてセットしていますが足りないもんは足りない。
他には最近になってアチェルビスからインナー全体を包むカバーが出ました。その名もX-MUDフォークゲイター
良さそうですがネオプレン素材ではないので防御力はネオプレンよりは劣りそうです。靴下的な趣がありますね。
KTMのフォークガード
定番ですね。後ろまで覆ってくれるタイプのガードです。純正品だとフォークを外して通さないとなのですが、社外品は開くようになっているので装着にフォークの脱着が要りません。
問題なのは16年式以降のKTM/HSQのフォークにはつかないということ。。YAMAHAにもつかなかったはずです。BetaのX-TRAINERなどにはポン付けできます。
相当頑張って穴開けたりすると、ネジを2本留めにして付けられるかもしれません。私も自分の4CSにつけようと頑張ってみましたが、難儀しながらこれの加工するなら作った方が良くない?となりました。無理やり固定するとボルト折れとかして面倒ですからね。
カイダックで自作する
熱で簡単に成形できるカイダックを使ってガードを自作しました。
厚さは2mmを使用しました。フォークガードなら2mmがおすすめと言われ購入しましたが、厚すぎず薄すぎずのちょうど良い感じだったと思います。
カイダックを切る際ですが、最初頑張ってハサミを入れていて全くうまく切れず、もっと強力なハサミを買ってきて再トライしましたが長い距離を真っ直ぐ切るのは不可能です笑
途方に暮れてTwitterで聞いたら、真っ直ぐ切る場合は、カッターで軽く切り込みを入れて折ればパキッと切り離せるとのこと。やってみたら真っ直ぐ切れました。。頭が硬いですね。
カイダックの工作にはカッターと、丸く切るためのちょっと強いハサミ、ヒートガンかドライヤーがあれば可能です。ドライヤーでも良かったんですが、なんとなくヒートガンを買ってみました。安いし。
- 出版社/メーカー: ?儀(Takagi)
- メディア: Tools & Hardware
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それで作っていくわけですが、この熱で成形するの普通に難しいですね。既存のフォークガードを土台にして追加するガード部分を作る方法と、カイダック一枚をそもそもガードとして成形してしまう2つのアプローチがあると思いますが、後者の方法は無理だと判断しました。やってる人凄いです。尊敬します。
そもそも綺麗に筒状にして、ボトムのネジ穴に合うように穴を開けるのなんか素人では無理です。やっている人は職人でしょう。
前者の既存のフォークガードを土台に追加部分を成形する方法で作っていきます。この辺の写真を撮ってなくてアレなんですが、パークリの缶が丸みをつけるのにちょうど良かったです。熱々のカイダックを押し当てるので、怖くて空になっている缶を使いました。
ほぼ全周を覆う追加ガードを作成した後は、既存のガードに接着剤でくっつけます。先人に聞いた所、「接着剤+コーキング剤でやった。コーキング剤だけでも良いかもしれない。」というお言葉を頂き、コーキング剤だけで接着。1週間後、十分に乾いたと思いフォークに装着しようとしたら、、、、
ぐぐぐっと開いた瞬間にボロンと剥がれました笑 全く空気に触れなそうな内側のコーキング剤が乾くには途方もない歳月が必要なのかもしれません。
という失敗があってボルトオン方式に変更しました。できたものがコチラ
……見た目は…。いいんです。守れれば。
前回の失敗を活かしボルトオン方式でかなりガッチリ固定されています。
超低頭の皿ボルトを使ってみたんで内側の張り出しもほぼ皆無!こっち側が張り出してボルトでインナーチューブをゴリゴリ削ってたら笑い事じゃないですからね。
一応、ボルトの位置も直接インナーチューブに当たらない場所にしてあります。上はアウターのプラのガードがある辺りで、下はほぼボトムの部分です。
実際に車体につける際にはボルトの頭に薄いスポンジテープを貼ってます。これでインナーチューブを自傷することはないはずです。+フォークシールスキンも使っています。過保護でしょうか。
使用したボルトとナットはこんな感じ。東急ハンズ池袋店でお買い上げです。穴はドリルで開けました。
意外と30分くらいでできたのであまり作業負荷も高くなくてよかったです。駄目になってもまた作ろうと思う範囲ではある。
追記
と思ってたらTwitterでお友達が現行モデルにも使えるイカした社外品を見つけて来てくれました。Protech Guardsというメーカー。arkwさんありがとう。
あーこれですね。全世界がほしいのはこれですよ。完全に需要を理解していますね。商売の天才でしょうか。37ポンドなので5000円くらいでしょうか?
さすがHEDの本場イギリス。日本まで発送してくれるのかは分かりませんが、欲しいですね。さっき駄目になっても作るって言ったばかりですが。