AMSOIL 2stオイル使用インプレッション
Summary
- AMSOILのドミネーター、インターセプターをインプレッション
- 走行シチュエーションやマシンごとにインプレッションを行った
AMS OILを使ってみて
AMS OILから発売されている2stオイルの二銘柄(ドミネーター、インターセプター)を使用したので、それぞれ使用感のインプレッションを行いたいと思います。
オイルはGoHardMotoのLUCKYさんからご提供頂いたものです。この度はありがとうございました。
2stオイルの使用感というのは、走行シチュエーションやマシンの特性、混合比によって大きく変化し、インプレッションを行いにくい部類のものなのですが、期間を長く設けて、様々な走行シチュエーションで他の銘柄との比較を行いました。比較の際は他銘柄の混合油と混ざってしまわないように、一旦ガソリンタンクとキャブレター内の燃料を空にして行っております。
それでもオイルの使用感は繊細なものであり、我々にはトップライダー並の感性があるわけではありませんが、一般的なユーザーのイチ意見として見て頂けると幸いです。
今回は乗車時のインプレッションを対象としており、継続使用した場合のエンジン内のカーボンの堆積や、エンジン開封により判明する各部への保護効果、また洗浄効果については言及しておりません。
ドミネーターとインターセプターの違い
まず、AMS OILの二銘柄の違いについて、公式の説明にあるような事前情報を整理しておきます。
ドミネーター
- 規格 API: TC, JASO: FC
- オイル色: 赤
- 推奨混合比: 50:1
- 用途: 混合専用(分離でも使用は可能)
ドミネーターは2st競技車両用のレーシングオイルです。エステルベースの高品質全合成オイルで、高粘度仕様になっています。高温対策の添加剤が配合されており、高温・高回転下でも強靱な皮膜を形成するのでエンジン内の対摩耗性能が優れており保護性能が高くなっているという触れ込みです。
インターセプター
- 規格 API: TC, JASO: FC
- オイル色: 黄
- 推奨混同比: 50:1
- 用途: 混同/分離併用
インターセプターは分離または混合で使用するエンジンの為の高性能2ストロークオイルです。最良な化学合成のエステルをベースオイルに、高水準の洗浄剤が配合されており、排気バルブの作動を最良に保ち、高い潤滑性能が提供されます。エンジンのシリンダーやベアリングを摩耗から防ぎ、エンジンを長持ちさせるという触れ込みです。
ドミネーターのインプレッション
使用した車両ごとに記載していきます。
YAMAHA YZ125X
ガソリンへの溶け込み良好 混合油は赤く色づき視認性良好
過去に使用していたオイル
MOTOREX CROSSPOWER 2T
ELF MOTO2 TECH使用感
ハイスピードコース、ゲレンデ、ハード系で本オイルを使用。
<低回転域>
ハードエンデューロで必須なフロントを振るシーンや低速での緩い登りなど125ccにて、他オイルではゴボついてエンストしてしまうが本オイルでは、極低速の粘りが増しており、エンストが減った。
<中回転域>
爺ヶ岳などの拳から頭蓋骨大の動くガレ登りなどで、良く使用する中回転域(パワーバンド手前)でのトルク感が良く、非常に楽に登ることができた。
<高回転域>
高回転でのパワー感が良く、いつも頭打ちでパワーが出ない回転域でもグイグイと前に出て行く感覚であった。
125ccが苦手とするロングヒルで非常に有効であると感じた。
混合での使用感も良く、全域にパワー、トルクアップを感じられた。特に高回転域でのパワー感が最も優れていたと感じられる。ロングヒルやパワーが必要とされる場面で積極的に使用していきたい。
KTM 250EXC
ガソリンに溶けやすいと感じた。
過去に使用していたオイル
HONDA GR2使用感
GR2に比べ、特に低回転域での粘りを感じた。マシンパワーが十分にあるため、高回転域でもパワー感についてはあまり差が分からなかったが、低回転でのトルク感が増した印象を受けたせいか、全体的にパワフルになったフィーリングを感じた。
Husqvarna TE125
使用コース
アサマレースウェイ
爺ヶ岳(10耐)
オフロードパーク白井使用混合比
60:1過去に使用していたオイル
Hiroko DirtPro Ver1
BELRAY Si-7使用感
高回転域でパワーが増している印象を受けた。全開レブ域でのトルク感が増しており、そこに至るまでのパワーバンドの伸びもよりスムーズに感じられた。
逆に、普段はハードエンデューロで使用する極低回転域において、より粘りがあると個人的に選んだ銘柄を使用していたので、その点については普段のオイルの方が良いフィーリングだった。沢などで低速低回転での走行を行った場合、普段よりもサイレンサーエンドからのオイル汚れが多かったように見えた。
JASO FC規格ではあるが、他のFC規格のオイルよりもスモークが少なく、FD規格並のスモークレスな性能を備えているような印象を受けた。
高温・高回転での油膜性能に特化しているオイルであるので、特にモトクロスや、ハイスピードのクロスカントリーでの使用が好ましい印象を受けた。
インターセプターのインプレッション
ドミネーターは主に高回転・高温用であると知らされていたので、インターセプターは大排気量や低-中回転を多用する車両・人でインプレッションを行いました。
KTM 300EXC
使用コース
糸魚川SSV(FUN FES)
オフロードパーク白井使用混合比
65:1
こちらもガソリンに非常に溶けやすかった。
過去に使用していたオイル
BELRAY Si-7使用感
極低回転から非常にマイルドで、ボコつくことなくトルクが出るような印象を受けた。ヒルクライム途中の凸凹で失速し、再加速するような場合でも安定感があり、粘りながら持ち直していくことができた。
こちらもFC規格であるが、FD規格並のスモークの少なさだった。
BETA X-TRAINER300
使用コース
糸魚川SSV(FUN FES)
オフロードパーク白井使用混合比
分離用オイルとして使用。後に、マシンの仕様変更で混合化し、その際は60:1で使用。過去に使用していたオイル
WAKOS V2R
MOTOREX CROSS POWER 2T使用感
分離でも混合でも問題なく同様の使用感を得ることができた。特に極低速で粘るX-TRAINERのエンジンと相性がよく、デロデロとタイヤを転がしていくような乗り方をする場合に、よりスムーズに燃焼している印象を受けた。
中-高回転でのトルク感も良く、普段使っているオイルと遜色ないフィーリングだった。
Husqvarna TE125
使用コース
オフロードパーク白井使用混合比
60:1過去に使用していたオイル
Hiroko DirtPro Ver1
BELRAY Si-7使用感
ドミネーターとの比較のため、同様の車両でインターセプターを使用した。
ドミネーターに比べると、低回転域がよりトルクフルで安定感があるように感じた。
高回転をギンギンに回し続ける乗り方をすると、ドミネーターの方が優位に感じる。具体的には、インターセプターの方だと同じ極高回転でも、エンジンは回っているものの、前に進む力が薄くなるように感じた。
ドミネーターを使用した時と同じように白井を走行した後のサイレンサーエンドのオイル汚れを見てみると、インターセプターのが汚れが少なく、(ドミネーター比では)低-中回転域でより燃えやすい特性になっていると感じた。
まとめ
どちらのオイルも、クロスカントリー、ハードエンデューロのようなシチュエーションで使用するのに、優秀な性能を有していると感じました。
両者の使い分け・選択を考えると、
ハイスピード、もしくは小排気量で高回転域を多用する乗り方の場合はドミネーターの方がマッチしていると感じました。250以上でもギンギンに回して乗るタイプの人はこちらの方がいいと思います。
反対に、低速を多用するようなセクションが多い場合、大排気量や、低-中回転を多用してマシンのトルクを活かして乗る場合などはインターセプターの方が向いていると感じました。
どちらも良いオイルでしたので、興味があったら試してみることをおすすめします。
中々取り扱っているところも少ないオイルですが、GoHardMotoさんで買うことができます。